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第2回…「DAC」について

 このところ、ポータブルCDプレイヤーや"アナログ"オーディオであるコンパクトカセットプレイヤーやレコードプレイヤーの"新機種"をちょくちょく目にするようになった。 そしてそれらの機種には一般的な3.5mmオーディオ出力ジャックの他にBluetoothモジュールが搭載され、ワイヤレスイヤホンなどで楽しめる便利機能があったりする。 さて、これらの機器から送られ最終出力先から出てくるアナログ信号はどうやって生成されるのか。 それを担っているのが「Digital Analog Converter」あるいは「Digital to Analog Converter」、いわゆる「DAC」。 デジタル信号からアナログ信号へのオーディオ専門の通訳者の役割をしてくれる。 CDプレイヤーであればCDから読み取ったデジタル信号を、カセットプレイヤーやレコードプレイヤーからであればアナログ信号をデジタル信号に一旦通訳した後、最終的にアナログ信号に通訳して最終出力先へ送り出す。 段階のあるデジタル信号を最終結果として本来は無段階であるアナログ信号へ通訳しなければならないため、自身の能力そのものが問われる最終出力先に並ぶ重要度を担う要素と言える。 前回「CDのデジタル信号は16bit/44.1kHz」と書いたのだが、「ソースの信号を16bit/44.1kHzの"濃度"で記録しているのがCD」とも表現できる。 送られてきた"濃度"をどれだけ正確に通訳できるのか、というのがDACの性能で一番問われる部分だろう。 今のデジタルオーディオ的には最低基準がCDクオリティである16bit/44.1kHz、でいいのだろう。 そしてソースの音源を可能な限りの"濃度"で通訳しようとするとレートはガンガン上がっていくのだが、一般的によく見かけるDACの性能がPCMで32bit/382kHzあたりだろうか。 正直、ここまで来ると一般的なヒトの聴覚の限界以上ではあるとは思っているし、24bit/96kHzあたりまでで正直十分すぎるかもしれない。 そして実際問題として、ここまでの"濃度"で通訳しようとするとそれに費やされるリソースが馬鹿にならなかったりする。 人間でも、一般的にはまず先方が一文を発言し

第1回…「ハイレゾ」について

 さてさて。 思ったよりも熱が入ってきたので気まぐれにこういうのを書いてみようかという事になった。 きっかけはとあるイヤホンとの出会いなのだが、ここしばらくで買った数がそこそこ増えてきてしまっているので整理の意味もある。 ここではまぁ色々と「お手軽オーディオ・激安オーディオ」の僕なりの楽しみをつらつらとやっていこうと思っている。 最初のエントリーはここのテーマと思いっきり相反するであろう「ハイレゾ」について。 「ハイレゾ」、と聞いてまず何が思い浮かぶだろうか。 ほとんどの人は「高音質」と答えると思うのだが、僕はハイレゾを"有難がる"考えにはあまり賛同できない人間だったりする。 そもそも「ハイレゾ」とは何か。 まず 一般社団法人 電子情報技術産業協会  (JEITA)は ・音楽データについて、リニアPCMとして CD音質(16bit/44.1kHz)のビット数あるいはサンプリング周波数のどちらかが"以上"、かつもう一方が"超える"こと などをハイレゾとして定義している。 例えば16bit/44.1kHzを基準として24bit/44.1kHzであれば「ハイレゾ」であるし、16bit/96kHzも「ハイレゾ」。 そして日本オーディオ協会では ・音楽データについて、リニアPCMとして 24bit/96kHz以上であり、WAVもしくは可逆圧縮フォーマットであること ・スピーカーなどの最終出力先については高域側再生性能40kHz以上を発揮できること などと定義している。 まぁ大雑把に、音楽データについてはCD音質を"超える"可逆圧縮フォーマットであれば「ハイレゾ」であるという認識でいい。 さて、一般的に人間の可聴周波数帯域は20~20kHzと言われている。 で、ちょくちょく「32bit/384kHzのDACと言われても人間の可聴周波数帯域をあまりに超えており意味がないどころかまやかしだ」というような事を言う人がいるようなのだが、これもおそらくは純粋な勘違いか、意図的にミスリードさせるものだったりする。 ならばそもそもCD音質の16bit/44.1kHzも人からすれば倍以上のオーバースペックということになってしまうのだが。 ここでの「16bit/44.1kHz」はあくまで「単位時間(この場合は1秒間)